【企業×学生の環境課題解決マッチング会とは】

 横浜市地球温暖化対策推進協議会が主体となり、2050年までの脱炭素化「Zero Carbon Yokohama」の実現とSDGsの推進に向けて、若者の視点を取り入れることを目的に開催しています。

 令和4年度は、参加企業であるIKEA港北、株式会社大川印刷、株式会社LOOOPが提示した環境課題に対し、横浜国立大学とフェリス女学院大学の4つの大学生チームが、事前に調査・研究をしたうえで具体的な解決策を提案しました。提案された解決策は、実現可能性などを総合的に審査員が評価し、当日に表彰を行いました。

 マッチング会は2016(平成29)年度より始まり、今年度で7回目の開催となりました。コロナの影響でオンライン開催が続いていましたが、令和4年12月7日(水)に3年ぶりに対面での開催となりました。

 ※横浜市地球温暖化対策推進協議会は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」第40 条で定められている地域温暖化対策の推進を図るための活動を⾏う「地球温暖化対策地域協議会」です。マッチング会は、横浜市との協定事業として行われています。

【企業からの環境課題テーマ及び大学生チームの紹介】

 今回は「IKEA港北」へ提案したチームを紹介します。

 「IKEA港北」からの環境課題テーマはこちらです。

【IKEA港北 提⽰した環境課題テーマ】

 環境への負荷を減らすだけでなく、電気代を節約する役割も持つ照明の LED 化はかなり進んでいるが、イケアストアで更に LEDをお客様にお勧めするために、どのような販売⽅法やコミュニケーションをしたら良いか。その際に、お客様⾃⾝が節約のメリットとともに環境⾏動も意識できるように⼯夫すること。

 このテーマに提案した2つのチーム 横浜国立大学チームとフェリス女学院大学チームを発表順に紹介します。

横浜国立大学チーム(奨励賞受賞)

 横浜国立大学チームの提案内容の抜粋です。

横浜国立大学のチームのみなさんにお話を伺いました。

環境課題テーマを考えるのに苦労した点は

 「環境問題はいろいろな要素がありますが、その要素を細分化して考えるところに苦労しました。

 今回はLEDの普及という課題を1か月の短期間でまとめあげて発表しました。
 売り上げの重視を考えることも課題のひとつ、環境問題を市場化するにあたり、どのように売り上げに変えていくかを考えることが難しかった点です。」

発表を終えて

 考え方のロジックを指摘されましたが、自分たちで考えた内容を発表できたとのことです。 LEDブースの設置や子ども向け商品の開発など、魅力的なアイデアだと思いました。

横浜国立大学のチームのみなさん。氏川先生(前列中央)を囲んで、笑顔でお答えいただきました。

フェリス女学院大学チーム(最優秀賞受賞)

 フェリス女学院大学チームの提案内容の抜粋です。

フェリス女学院大学のチームのみなさんにお話を伺いました。

〇環境課題テーマを考えるのに苦労した点は

 「IKEAに来たお客様に環境課題を知ってもらうこと、それを実際に行動に移してもらうことを最終的な目的として考えました。

 どういうことをすればお客様から注目いただけるか、お客様自身で考えてくれるか、そしてSDGsの観点から、チームで企画したものでゴミが出ないよう環境にやさしい企画を考えました。

 発表資料においては、ゼミ3回分の時間をかけ、更に授業後に大学に残って作成しました。パソコンだけだと伝わる範囲も狭いのでiPadを使用し、心を込めて作成しました。」

 所々に手書き風な記載もあり柔らかさも表現している資料でした。光のトンネルは歩いてみたいと思いますし、子ども向け展示など楽しそうな魅力的なアイデアですね。

〇今後、チームとしての活動は                                  

 八景島シーパラダイス「うみファーム」環境教育プログラムとのコラボレーション企画や、泉区とのシェアサイクルの普及に向けた企画など、サステナブルな社会の実現へ向けた様々な活動を続けています。

フェリス女学院大学のチームのみなさん。知足先生(後列右)を囲んで、笑顔でお答えいただきました。

次に「IKEA港北」のみなさんにお話を伺いました。

〇マッチング会参加のきっかけは

 きっかけは、横浜市との連携協定です。イケアとしてのサステナビリティをよりしっかりとメッセージ性を出していこうという時に、市から学生と交流のできるこのマッチング会参加へお声掛けいただき、今回で4回目の参加です。

〇環境課題テーマについて

 これまでのテーマは範囲が広すぎたため、実現に向けて焦点を絞り「LEDの普及」というテーマにしました。

〇大学生チームの提案について

 両チームとも、どのように店内を表現し、お客様を楽しませるか、LEDのベースの知識はよく勉強しています。フェリス女学院大学チームは、LEDについて白熱電球や蛍光灯との違いを別の視点から触れていたので面白いと思いました。

 既存住宅に付いている既設証明(「ストック」と言う)をどうやってLEDに切り替えるかという視点、切り替えようというマインドにどう繋げていくか、のビジネスプランが欲しかったと思います。

 電球タイプの照明のLEDへの切り替えは比較的容易ですが、蛍光灯や一部の照明はなかなか難しく場合によっては器具ごと交換する必要があるので、どのように現実化するかを合わせて考えてほしかったと思いました。

 フェリス女学院大学チームの「光のトンネル」はとても良い発想です。トンネルを抜けたら、横浜国大チームのLEDブースがあるというアイデアもいいですね。

IKEA港北店 (左)ローカルマーケティングマネジャ-山下様 (右)マーケットマネジャ-(店長)菅野様
 

~取材を終えて~

 企業の環境課題の解決に向けて、学生のみなさんがアイデアを出し合い発表いただきました。

 提案は大人では考えつかないような柔らかな視点からのアイデアがたくさんありました。

 実現できたらとてもワクワクしますね。

 参加された企業のみなさま、学生のみなさん、本当にありがとうございました。

 今後も横浜市地球温暖化対策推進協議会主催のマッチング会に注目していきたいと思います。