ハマヤク農園とは?
戸塚区深谷町、ドリームランドの跡地のすぐそばにハマヤク農園はあります。
ハマヤク農園はもともと農地だった場所を、市が買い取り整備した農園付公園で、農園の名前は横浜薬科大学の略称「ハマヤク」に由来しています。
2006年にドリームランドの跡地に開学した横浜薬科大学は、地域貢献の一環として農園開園前の2015年に横浜市とネーミングライツ契約を締結してハマヤク農園を命名しました。
そして農園の一角には横浜薬科大学が管理する薬用植物園があります。こちらの植物園では、漢方薬学科の榊原巌教授が中心となってハーブの栽培がおこなわれており、花を煎じると、きれいな青色のお茶になるマロウ、ハーブティとしてよく飲まれているジャスミンやカモミール、イタリア料理に欠かせないバジルなど多彩なハーブが栽培されています。ハーブの品目はポピュラーで、飲んだり料理に使えたりする素材を中心にして、育てて楽しいものにすることで、栽培のモチベーション向上につなげているそうです。
地域と協働でハーブ栽培
ハーブの栽培は榊原教授をはじめとする大学の教職員の方のほかに、近隣で募集したボランティアの皆さんで行われています。ボランティアの皆さんは徒歩でハマヤク農園まで来られる方という条件で募集しており、近くのドリームハイツにお住まいの方が多いそうです。2018年からは横浜薬科大学の学生も栽培に参加するようになりました。タイやフランスから来た留学生も栽培に参加したそうです。栽培の作業の前には教授によるミニ講義が行われるなど、薬用植物園は教育の場であり、地域と大学との協働の場であり、世代間交流の場にもなりました。
収穫したハーブは、年に一度の学園祭「ハマヤク祭」に来場された皆さんにハーブティとして振舞います。2019年の学園祭では1,000人分のハーブティを提供したそうです。バジルなど料理に使えるものは学食のメニューに使用されることもあります。
コロナ禍と今後
しかし、この2年続いているコロナ禍は、こうした地域との交流にも影を差しています。ハマヤク農園以外の地域との交流イベントであった、月1回近所の皆さんとウォーキングを楽しむ「歩こう会」はここ2年中止を余儀なくされています。学園祭でのハーブティの提供もここ2年はできていません。
こうした厳しい状況ですが、ハーブの栽培は続けられています。学生の栽培への参加は中止となっていますが、今でもボランティアの皆さんも人数を調整しながら参加して栽培作業を行っています。この間収穫したハーブは現在もストックしてあるとのことです。
「今年こそはストックしてある分も含めてたくさんハーブティをふるまいたい。」と、榊原教授は意欲を示していました。