クリスマスアニメーションワークショップとは?

 2021年12月19日、東京藝術大学大学院映像研究科(以下、映像研究科)と横浜市文化観光局が主催する「クリスマスアニメーションワークショップ」が市役所アトリウムで開催されました。

 クリスマスをモチーフとした、クレイ(ねんど)アニメーション作りを子供たちに楽しんでもらおう、というイベントです。

 新型コロナウイルス感染症対策のため、参加者は事前予約した方に限られましたが、「広報よこはま」での告知効果もあり、予約開始から約5分ですべての予約枠が埋まる盛況ぶりとなりました。

 このワークショップはもともと、2014年に、青葉区制20周年の記念イベントの一つとして始まりました。2005年に横浜市が映像研究科を馬車道に誘致したときから、横浜市と映像研究科は連携・協力して地域貢献の取組を行っており、このワークショップもそうした取組の一つとして加わりました。

モニターに映し出されるアニメーション

ワークショップの流れ~キャラクターづくり

さて、ワークショップはアニメーションとして動かすためのキャラクターを粘土で作るところから始まります。クリスマスにちなんだもの、クリスマスとはあまり関係ないもの、子供たちが思い思いのキャラクターを作っていき、当日スタッフとして参加している映像研究科の学生や修了生の皆さんがそれをやさしく見守ります。

粘土でキャラクターを作成する子どもたち
粘土でキャラクターを作っていきます
様々なキャラクター
思い思いのキャラクターができあがりました

ワークショップの流れ~アニメーション撮影

 キャラクターができあがったところで、タブレットを使って撮影を行っていきます。今はコマ撮りアニメーションを作ることができるアプリがあり、一般の方もクレイアニメーションを作ることができるそうです。一コマ撮影するたびにキャラクターを少しずつ動かしていくので根気がいる作業ですが、参加した子供たちは楽しそうに作業をしていました。こうして10秒前後のアニメーションが完成し、アトリウムにある大型ビジョンで映し出されて、参加者全員にお披露目となりました。どの参加者の作品も個性にあふれており、上映のたびに参加者全員から大きな拍手が起こっていました。

タブレットを使用して撮影をしている子どもたちと学生
タブレットを使って撮影しています
キャラクターを動かしている様子
キャラクターを少しずつ動かして撮影していきます

クリスマスアニメーションワークショップから得られること、今後の抱負

 東京藝術大学は、大学の使命として教育、研究とともに社会貢献を位置づけています。実際にワークショップに参加している映像研究科の学生や修了生の皆さんは、ワークショップを通じてアニメーションの楽しみやアニメーションは誰でもチャレンジできるということを知ってもらうことにイベントの意義を感じているとのことです。また、子供たちにアドバイスをしたり教えたりすることは、自分たちにとっても貴重な経験になっているとのことです。

 映像研究科と連携して主催している横浜市文化観光局としては、協力してイベントを行うことで、映像研究科が持っている知見を広く市民に還元できること、そしてアニメーションをきっかけに映像や芸術への市民の関心興味や理解が広がっていくこと、その相乗効果によってアニメーションや映像、芸術に携わろうとする人材が横浜で育っていくことも期待しており、今後も映像研究科の研究、取組のエッセンスを市民が気軽に楽しめる入口になるようなイベントを行うことで、すそ野を広げていきたいとのことです。

 映像研究科の皆さんからは、歴史的建造物である馬車道校舎を活かしたイベントや、これまでも行ってきたイベントである小中高生向けの授業を発展させて、例えば寺小屋的なアニメーションの学びの場づくりを修了生や市と組んで行ってみたい、という今後の展望も聞くことができました。

東京藝術大学大学院映像研究科の皆さんの集合写真
東京藝術大学大学院映像研究科の皆さんと横浜市の担当者です