水戸学は、徳川御三家の水戸藩で生まれた「学風」である。第二代藩主徳川光圀による歴史書『大日本史』編纂事業を基盤として形成された。『大日本史』は、完成まで250年の歳月を要した。この間、水戸学も時代の変化と共にその姿を変えて来た。光圀以来、水戸学は尊王論を基盤としながら、19世紀には差し迫る西洋列強への対応策として攘夷思想が生まれ、幕末期には「尊王攘夷」思想として確立され、幕末日本に大きな影響を及ぼしていく。
水戸学は、徳川御三家として最後まで「尊王敬幕」の立場を貫いたが、水戸学の尊王論は、やがて討幕派によって天皇の政治利用を引き起こし、幕府・水戸藩を崩壊に導くことになる。それは、水戸藩・水戸学者たちにとって「意図せざる望ましくない結果」 (R.K.マートン「滞在的逆機能」)であったに違いない。水戸学にはこうした「逆説」が宿命的に組み込まれていた。
本講座では、水戸学の形成・変遷過程を追いながら水戸学が日本史に与えた影響を考えていきたい。

【開催日】2025年8月23日(土)8月29日(金)9月14日(日)10月12日(日)
14時40分~16時10分
【場所】八洲学園大学(横浜市西区桜木町7-42)またはインターネット受講
【講師】多田 嘉夫 氏
【対象】歴史に興味のある方(一般市民、学生の皆さん)歓迎します。
【最小開講人数】3名※2025年8月16日時点で最小開講人数に達しない場合は中止となります。
【申込方法】事前申し込み制
お申込みはこちら
https://www.yashima.ac.jp/univ/extension/course/2025/07/post-633.html
【申込期限】各開講日の3日前まで